人形町ゆるりお散歩ガイド

明治６年からの長い歴史を持つ明治座。

日本橋の明治座は銀座の歌舞伎座、新橋の演舞場、丸の内の帝国劇場と並び、東京を代表する劇場として古くから人々に親しまれてきました。

明治座は創建当時、喜昇座という名の劇場で始まりました。

焼失と再建のたびに久松座、千歳座と名称は変わり、明治２６年、初代市川左団次が買収してから現在の明治座という名に落ち着いたのです。

以降、大正１２年には関東大震災で焼失、昭和３年に再建、昭和２０年に東京大空襲で焼失、昭和２５年に再建、昭和３２年に漏電による火災で焼失、３３年に再建と、平成２年に老朽化で建て替えとなるまでには幾たびもの焼失と再建を繰り返してきました。

昭和２０年の戦火による焼失の際には、当時のミツワ石鹸の三輪善兵衛、新田建設の新田新作、松坂屋の伊藤鈴三郎、松竹の大谷竹次郎などの地元有志、錚々たる顔ぶれにより復興期成会が結成され、復建が成し遂げられました。

興行においては、戦後しばらくは歌舞伎や新派が主でしたが、次第に時代劇や演歌歌手による歌謡ショーなどの公演が中心となり、２０００年代に入ると現代劇やミュージカル形式の公演も行われるようになり、観劇世代の幅を広げています。

町の再開発を契機に、建物も老朽化していたことから旧明治座は平成２年に一旦興行を休止し、建て替えとなります。

平成５年には地上１８階、地下２階のオフィスビル浜町センタービルとなって生まれ変わり、その低層階が明治座となっています。

公演では３０分ほどの幕間が２回設けられるのが通常で、その時間は劇場内の広い食堂や喫茶コーナー、多数の売店があるロビーなどで過ごします。

来場の際に下町情緒あふれる界隈をぶらりと回る人は多いようです。

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